小西洋之議員罵倒の自衛官供述全文 2018.4.24

 防衛省は24日、民進党小西洋之参院議員が防衛省統合幕僚監部の3等空佐から罵倒された問題に関する調査の中間報告を発表した。小西氏が「お前は国民の敵だ」との罵声を浴びたとしているのに対し、3佐は「国民の敵」という言葉は発言していないと説明しており、両者の主張には食い違いが生じている。一方、3佐は「国益を損なう」「ばか」など不適切な発言を浴びせたことは認めた。防衛省は引き続き調査し、懲戒処分を含めた対応を決める方針だ。防衛省の調査に対する3佐の供述内容は次の通り。

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1、私は4月16日(月)20時ごろ、体調管理と、ちょっと太ってきたということから駆け足をしようと思い、アパートを出発しました。

2、私は常々2つのランニングコースを設定しており、ひとつは皇居の周りを走るコース、もう一つは国会議事堂の周りを走るコースです。時間のないときは、国会議事堂の周りを走るコースを選んでいました。皇居のコースについては、家を出て帰り着くのに2時間半かかるため、主に昼間走っておりました。国会議事堂のコースは2時間弱で走れるのと、夜でも明るく平坦で見通しも良く、走りやすいため、夜は走っていました。当日は、出発時間が遅かったため、そちらの方に決め、おおむね20時30分ごろに国会議事堂の周辺について、議事堂をぐるっと一周しました。

3、そして、最後の直線の議員会館の歩道を走っていたところ、民進党の小西議員と思われる方が私の左前方を私の走る方向と同じ方に歩いていました。追い越しの際、右斜め後方から顔が見えるという状況になりました。それで、追い越した際に小西議員かなと思って、また振り返ってみて、小西議員だと確信しました。その時、小西議員は、グレーのスーツにノーネクタイの状態だったと思います。

4、2度目に振り返った際に、小西議員とも目が合い、小西議員は私に向かって軽く会釈をされました。私は特に会釈も何もせず走り続けました。進行方向の自民党本部側に渡っていく交差点の信号がちょうど赤信号になり、そこでしばらく待つかたちになりました。小西議員は、私から90度右側の横断歩道を渡ろうとしており、偶然そちらの信号も赤信号のタイミングだったため、2人が交差点角のそれぞれの横断歩道の前でしばらく待っている状態になりました。このときの二人の距離は7~8メートルくらいでした。

5、再度、交差点で振り返り、目があったとき、私の方をちらちら見ながら、この人は支援者なのか、そうでない人なのかを伺うような様子で会釈をしました。

6、私はもともと、小西議員に対しては、総合的に政府・自衛隊が進めようとしている方向とは違う方向での対応が多いという全体的なイメージで小西議員をとらえていました。小西議員から会釈された際、私はあいさつを返すのもどうかと思ったし、最初に見たとき、一言思いを述べたいという気持ちが高まりました。そして、交差点で一緒になり、会釈された際に、私は小西議員へのイメージもある中、あいさつを返したくない気持ちもあり、無視をするのもどうかと思って、思わず「国のために働け」と聞こえるように、大きい声で言ってしまいました。

7、それに対し、小西議員の方からも「国のために働いています。安倍政権は、国会で憲法を危険な方向に変えてしまおうとしているし、日本国民を戦争に行かせるわけにいかないし、戦死させるわけにもいかないから、そこを食い止めようと思って、私は頑張ってやっているんです」という反論がありました。おそらく、小西議員は日頃からネット上やさまざまなところで、いろいろな反対意見・批判を受けていて、そのたびに憲法や平和安全法制の話題で対立していたので、この種の反論になれているように感じました。

8、「戦死」を身近に感じている私にとっては、小西議員の「戦死」という言葉の使い方が非常に軽く感じ、私のこれまでの災害派遣任務で経験したヘリから基地に空輸されてきたご遺体を目の当たりにしたときの強い衝撃や使命感、そしてすべての自衛官が持っている「事に臨んでは危険を顧みず」という覚悟を軽んぜられたと感じたので、「俺は自衛官だ。あなたがやっていることは、日本の国益を損なうことじゃないか。戦争になったときに現場にまず行くのは、われわれだ。その自衛官が、あなたがやっていることは、国民の命を守るとか、そういったこととは逆行しているように見えるんだ。東大まで出て、こんな活動しかできないなんてばかなのか」とむきになってしまい、言い返してしまいました。

9、すると小西議員は、だんだん私の方に近づいてきながら「あなたは現役の自衛官なのか。現役の自衛官が、そんな発言をするのは法令に反する」といわれた際に、はっきりとは覚えていませんが「私の発言は、自衛官の政治的行動に当たりません」というようなことを行ったと思います。その後、おおむね以下のやりとりがあったと思います。

小西氏「名前と所属を言いなさい」

3佐 「言いません。なんで言わないといけないんですか」

小西氏「現役の自衛官がそんな発言をするのは許されない。これは大問題だ。名前と所属を言いなさい」

3佐 「いいえ、言いません。今は、一国民として私の思いを伝えています」

というやりとりだったと思います。その後、小西議員は「撤回しなさい。現職の自衛官がそんなことを言うのは問題だ。防衛省の人事局に今から通報する」といって携帯電話を出しました。このやりとりの際に、はっきりとは覚えていませんが、「何が悪いんでしょうか?」と類似するような言葉を使ったかもしれません。このときの二人の距離は2~3メートル程度に縮まっていました。

 私は、再び駆け足に戻ろうとしました。するとそれを止めるように、電話をしながら、少しずつ私から離れていき、小西議員側の向かいの交差点にいた警備の警察官に「お巡りさん、お巡りさん、現役の自衛官が・・・、来てください、来てください、お巡りさん!」と警察官を呼びました。その時、そのまま走り去ってしまうと、警察官からやましいので逃亡したと誤解されると思い、その場にとどまりました。

10、そこで私も反論して「あなたは国民を代表する議員でしょ。私なんかよりも、何倍もの力を持っていて、なんだってできるのに、なんで一国民が訴えていることを聞いてくれないんだ」と言いました。小西議員は、電話をしており、私の話には取り合ってくれないような状況でした。このとき、小西議員は、私がそのまま駆け足に戻らないよう私の方に近づいてきており、距離が再び2~3メートル程度に縮まっていました。

11、その姿を見て、私は「あなたはなんで権力をかさに着るようなことをするんですか。国会議員だったら、一国民が言っていることをちゃんと聞くぐらい、いいじゃないですか。本当にそういう行為(人の話を聞かない、すぐ通報する、すぐ警察を呼ぶという男らしくない行為)が気持ち悪い」と言いました。小西議員は、電話先で「私は参議院の小西ですが、今、現職の自衛官と名乗る男性から私のことを罵倒したり、冒涜するような発言をしている者がいます。これは大問題ですから・・・」と通話しており、この後の語尾の方は、明確には聞こえませんでした。

12、そうこうしているうちに私の左方向から自分より若そうな20代くらいの警察官1人が近づいてきて、私と小西議員のほぼ間に立ちました。私はその警察官に対し「勤務中に余計な仕事を増やしてしまい、本当に申し訳ないです。すみません」と言いました。その警察官は「はい」と返事をされ、そのまま最初に小西議員に何があったのか聞きました。小西議員は「この人は現役の自衛官らしいんですけど、いきなり私に国のために働けって、強く罵るんですよ。私は国民を代表する国会議員なんですよ。その国会議員に対してね、一自衛官がこんなことを行ってくるなんてあり得ないから。彼は自衛官でね、強力な武器も扱う、警察のあなた方もかなわないような実力組織なんですよ。実力組織の人間があんな発言をするなんて、恐ろしい」と言っているのが聞こえました。私は特に何も言わず、黙っていました。

 その後、4人程度の警察官が合流し、この人たちにも「勤務中に本当に申し訳ないです。すみません」と言いました。私も警察官の一人から事情を聴かれました。そのため事情を説明し、身元を聞かれたので、住所、氏名、生年月日、所属など聞かれたことに答えました。その時の2人の距離は7~8メートル程度でした。

13、その5分後、麹町警察署の警察官3人が合流したので、この警察官たちにも同様に頭を下げ、もう一度同じ説明をしました。

 この説明をしている間、小西議員は、警察の事情聴取に応じつつ、携帯電話で誰かと話をしている様子でした。会話の内容は聞き取れませんでした。

14、その後、私の事情聴取が一通り終わった後、小西議員側の事情聴取が終わるのを2~3分程度待つ状況でした。その待っている間、警察官と私は「駆け足の途中で寒くないですか」等の会話をし「どうする、謝っておくかい?」と聞かれ、私も事の重大さを認識し謝罪しようと思い始めていたため「はい、もちろん。ご迷惑をおかけしましたし、ぜひ謝りたいです」

と言いました。それから、小西議員側の話が終わった様子を見て、私から事情を聴いていた警察官が、小西議員とも話をして、その後、私に対し「もし何か言うことがあれば、今この場で言ってもらえるといいと思いますよ」と間を取り持ってもらいました。

15、私から小西議員に近づき3メートルくらいのところで向き合うと、小西議員の方から「あなたのさっきのような、人格を否定するような罵ったところとか、私の政治活動を冒涜するようなこととか、そういったところを謝罪してもらえるんだったら、特に防衛省に通報したりとか、そういうことはしないから」と言われました。

16、私も事の重大さを認識し謝罪しようと思い始めていたため、小西議員に対し、今回のやりとりで「ばか」「気持ち悪い」と言ったことについて「個人の尊厳を傷つけるようなことと、考えの違いはあるかもしれませんが、日々日本を良くしようとがんばっている政治活動を冒涜するようなことを言ってしまい、大変申し訳ありませんでした」と謝罪しました。

17、私の謝罪に対し、小西議員は、ご自身の政治理念を述べられ、具体的には、はっきりとは覚えていませんが、70年前に総理大臣を殺して226事件や515事件など、クーデターが起きたことを踏まえ、シビリアンコントロールが大事というような趣旨のことを話していました。小西議員は「あなた、どう思う?」と問われたので、私は歴史のことではなく、今回の一連の案件を通じて「勉強になりました」と答えました。私の本意は、自分の立場を考えず、言いたいことをいってしまい、「自分はまだ未熟だな、ちゃんと社会人としてやっていかなきゃいけないな」という意味でした。

 それから、小西議員が私の方に近づいてこられ、私に右手を差し伸べ、私もそれを両手で握りかえしました。小西議員は、そのまま手を強く握りしめ「見解の相違もあるけど、あなたも家族がいるでしょうし、組織の中でも若いだろうから、しっかりがんばってもらわないといけない。今回のことはそうやって言ってもらったから、防衛省には言わないから。あなたのような自衛官を殺させるわけにはいかないし、だからこそ憲法改正をなんとか辞めさせようと思っている。だから活動しているんだ。先日も、質疑の時に防衛大臣に服務の宣誓の意味を問うたけれども、あの人は答えられなかったんですよ。あなたはそのような人の下で働いてるんだってことをよく認識した方がいいですよ。そういうところを私は危機感を持っているから、がんばっている。あなたもまだ若いから、日本のために一緒にがんばりましょう」と言われました。私は、それに対してなにも反論せず、うなずきながら聞き、ただ「すみませんでした」とだけ言いました。

18、その後、小西議員から「帰っていいから」と言われ、警察官の方も目配せして「行っていいよ」という感じだったので、その場から離れ、信号を渡って自民党本部の側から走ってアパートに帰りました。

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