アップル 刻印サービスの検閲 基準がはっきりしないまま禁止ワード増加 2021.8.21

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2021年8月21日 大紀元

 

カナダのトロント大学にあるネット検閲監視研究機関、シチズンラボ(Citizen Lab)は18日、米アップル社の刻印サービス(Engraving Serivces)は中国の政治人物、反体制活動家などのワードに対して検閲を行っているとの報告書を発表した。

報告書のタイトルは『危険な刻印:6つの地域におけるアップルの刻印検閲に関する分析(Engrave Danger:An Analysis of Apple Engraving Censorship across Six Regions)』。6つの地域とは中国本土、香港、台湾、日本、カナダと米国。

報告書は、アップル社はこれらの国において、1105のキーワード・フィルタリングルールがあると指摘した。また、同社が人種差別や性的なコンテンツに関する審査ポリシーに「一貫性がなく」、同社の公開文書においてもキーワード・リストの導出方法について説明がないという。

アップル社のAirTagサービスでは、ユーザーはアップル製品のアイテムに自分の好きな言葉や数字、絵文字などを刻印できる
報告書は、中国本土では、アップル社は、違法商品やサービスなどのほかに、「抵制(反対)」「民主潮(民主化ブーム)」「人権」「達賴(ダライ・ラマ)」など政治的、宗教的なフレーズを制限している。中国人ユーザーがAirTagを利用する時、これらのワードを使うと、「新たな刻印情報を入れてください」という表示が現れる。

また、報道機関への言及についても広く検閲しているという。米政府出資のメディア「美国之音(ボイス・オフ・アメリカ)」、在米中国語メディア「大紀元」など、中国共産党に批判的な報道を行うメディアへのアクセスを規制している。さらに、IT大手アリババ集団が所有するメディア「南華早報(サウスチャイナ・モーニング・ポスト)」や香港紙「明報」なども検閲している。

アップル社は香港でも、中国本土と同じく政治的なキーワードを検閲している。例えば、「雨傘運動」「香港民運(民主化運動)」「新聞自由(報道の自由)」などがその対象となっている。中国本土と香港では、「劉霞」「余傑」など反体制派の名前も検閲の対象となっている。

アップル社は台湾でも、政治的な表現を検閲している。「中国共産党の最高幹部(例えば、孫春蘭、党中央政治局委員、中国副首相)、歴史上の人物(例えば、毛沢東)、政府機関(例えば外交部)などは検閲される」という。

また、台湾では、中国当局に弾圧されている伝統気功クループ、「法輪功」(Falun Gong)も検閲対象となっている。

報告書によると、中国本土には少なくとも1045個のキーワード、香港には542個、台湾397個の検閲キーワードがある。

さらに、報告書は、アップル社は社会情勢に合わせて、検閲内容を更新していると指摘した。シチズンラボが2021年6月に行った調査では、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)を意味する「武漢肺炎」とのキーワードは中国本土でブロックされた。また、2019年に香港での大規模な民主化運動で使われたスローガン、「5大訴求(5つの要求)」も検閲されている。

いっぽう、アップル社の日本、カナダ、米国での検閲キーワード数は約170~260個となっており、主に人種差別や低俗なコンテンツに関わるものだ。

シチズンラボの研究員で報告書作成者の1人、ジェフリー・ノッケル(Jeffrey Knockel)氏は、米メディア「プロトコル(Protocol)」に対して、アップル社が香港と台湾でも、中国本土と同様の検閲を行っている理由として、2つの可能性があると示した。「1つは中国当局の機嫌を取るために意図的に行っている。もう一つは単なる不注意だ」

アップル社でプライバシー管理に関わる上級幹部、ジェーン・ホーバス(Jane Horvath)氏は17日、シチズンラボに宛てた書簡で、「すべてのアップル製品と同様に、刻印のプロセスは当社の価値観の下で行っている」とした。同氏は、問題となっているフレーズの検閲について、特定の政府や第三者の関与はないと強調した。

いっぽう、シチズンラボは報告書のなかで、「アップル社のキーワード・リストの収集は、行き当たりばったりで一貫性がない」とした。また、同社に対してこれらの情報を検閲する理由と検閲方法を説明するよう求めている。

(翻訳編集・張哲)

 

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